こんにちは! 読書もする、こぎー(fa-instagramInsutagramfa-link・fa-twitter-squareTwitterfa-link)です。
あの有名なナショナルジオグラフィックから「プロの撮り方」という本がテーマごとにシリーズで出版されています。
自分の写真を見直している矢先に出会った「プロの撮り方 構図の法則」。
最近、「よくみる構図のパターンに当てはめすぎて、何か一辺倒な写真ばかりだなぁ」と感じることがあり、構図のパターンを勉強をするほど、沼へはまっている感覚がありました。
勉強でセンスある人との差を埋めることができると普段は意気込んでいるのですが、少し「構図はセンスなのか」と弱腰になっちゃうことも。
ですが表紙の帯に「センスは理論から!」と、まさに僕を奮い立たせてくれる眩しい一言が。
ナショジオの本はどの本も結構いいお値段なのですが、「プロの撮り方 構図の法則」を惹かれるようについ買ってしまいました。
翻訳書なので、慣れていないとちょっと読みにくいですが、一冊目に読むナショナルジオグラフィックの本としてはベターだと思います。
構図を深彫りする
構図の勉強をして「三分割法」や「S字構図」などのパターンは覚えているのですが、なぜ"その構図は効果があるのか"があまり理解できていないと感じている人は多いと思います。
僕もその一人で、多くの人がモヤモヤしていたり、考えないようにしていた部分なはずです。
構図という方程式をとりあえず、あてずっぽに当てはめて、まさに我流のセンスで勝負している感じです。
そんな状態から一歩、二歩踏み込んで方程式化していた構図を、根本的な原理や心理学など真理的なところから理解して、構図にアプローチするのにベストな良書です。
構図のセンスは理論から
あたりまえですが僕らが目にした景色と写真として撮れる景色では差があり、写真だと全ての情報を残すことができず風景の一部を切り取ることになってしまいます。
「なぜその部分を撮ったか?」という切り取る過程で必ず撮り手の個性が現れます。同じ光景でも人によって「美しかった」や「緊迫した瞬間」などの感じた気持ちは少しずつ異なってきます。
その気持ちを伝えたいのなら、切り取った写真の中に表現しないといけません。
「脳はものを見たときに、複数の個別の要素としてではなく、一つの全体として知覚する傾向がある」
この理論を「ゲシュタルト理論」といいます。
風景を何も考えずに撮ってしまうと何も伝わりません、ですが知覚してもらうように複数の物やパターンを意図して配置することで感情を的確に表現ができるのです。
表現のアプローチ方法は古代ギリシャ時代の数学者やさまざまな芸術家、心理学などの先人の叡智が詰まっており、僕らはその技術を覚えたり、自分なりに解釈することで、磨かれていきます。
僕は写真を見た人が擬似的な体験をして欲しく、写真に奥行きがある臨場感のある写真が撮りたいと常々意識しています。
臨場感を出すために二次元の空間に工夫をして三次元にする必要があります。
それには美術の授業などで習う遠近法を意識したり、心理学を応用した視線を奥に送る線や点の並びが重要になってくるのですね。
少しでも原理や法則に近づくことで応用の幅も広がり、仮説を立てたり実験をしながら自分の血となり骨になっていきます。
そして守破離のように、論理的に外した写真も撮れるようになるはずです。
構図のパターンを覚えた人に読んで欲しい
この本は写真を始めて少し経ち一通り構図のパターンを勉強した人に、僕は一番読んで欲しい本です。
今まで自分が撮ってきた写真に対しても、なぜ惹かれて撮ったのかを論理的に理解しやすく、より深い写真へのアプローチについて考えることができます。
一応、初心者でも原理から学べるので有効だと思います。が、、覚えることが多くなりすぎるので本格的に始めたい人におススメしておきます。
哲学的な撮り手が何を撮り伝えたいかを整理する必要があるという内容から始まり、中盤から僕らが「美しい」や「哀愁」など感じたことを的確に、本能的に訴える方法(構図の元)を丸まる一冊で説明をしています。
手っ取り早く構図がバーンと載っている訳ではなく、どちらかと言うと論理学や心理学的にアプローチした話がメインです。
最初は抽象的な話が多いのですが、徐々に論理的な話になっていき、あらゆる構図が理論や心理学の組み合わせということが理解できる本でした。
写真を要素に分解して、撮ったり見たりするのには必須の要素が多くレベルアップ間違いなしです。
この本で学べることは伝える手段としての構図についてです。手段を理解して、仮説を立ててかけ合わせて、いかに感情を伝えるかの手助けになります。
僕の構図
ちょっと前に、思いっきり僕の写真のルーツについて記事を書いたのですが、一度自分のルーツを頭の中だけじゃなくて書き出してみると、改めて自分が何を感じて、何を伝えたいか整理できるはずです。
僕が奥行きがある写真にこだわるのは、僕が写真を撮る理由のいくらかに上の記事でもほんの少しだけ触れた叔父に景色を見せたいからなのかもしれません。自分のこだわりに優先順位をつけることができれば、同じ構図の定番スポットでも、ありきたりにならず差別化できた写真を撮れるのではないのでしょうか。
そして素敵な写真にはそれぞれ差があり、アプローチの違いが垣間見えてくるはずです。
こちらも先人の知恵ですね(笑)