こんにちは! こぎー(fa-instagramInsutagramfa-link・fa-twitter-squareTwitterfa-link)です。
有名な撮影スポットに行くと三脚を常に持ち歩いている人を見かけます。
カメラを始めたばかりだと、三脚の使用理由なんて分からないですよね。
三脚の一番の用途はとても単純で、カメラを固定して撮影が出来ることです。
風景を撮影するのならほぼ必須と言っても過言ではないぐらいの重要度でもあります。
カメラを始めたばかりの人に向けて、三脚を使うとどんな役割や理由があり、どんな写真が撮れるようになるのかまとめました。
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カメラを固定して撮影できる【基礎!ブレを排除できる】
三脚はカメラを固定できることが一番、基礎的でメインの理由になります。
固定できるだけで、設定の自由度と写真の品質を圧倒的によくすることが出来ます。
三脚はかさばることが多いのですが、それでも写真を丁寧に細部まで練りこむには必須なアイテムと言えます。
手持ちではブレてしまう長時間露光ができる【重要】
お昼だとブレないのに、夜や暗い場所でシャッターを切るとブレてしまうことってあると思います。(主にオートや絞り優先AE設定時など)
ブレちゃう理由は風景が暗いと出来上がる写真も暗いので、カメラが明るく撮れるようにシャッタースピードをお昼より長くするからです。
暗い場所で手持ちだと、シャッターを切っている間に手の振動や呼吸の動作でカメラが動いてしまいブレの原因になっているのです。
そこで三脚を使用してあげると、カメラを固定できるのでブレない写真を撮ることが出来ます。
少しカメラの設定を勉強すれば、シャッタースピードを自分で設定できるのでブレない写真も撮ることが出来ます。
ただ手持ちだとブレないのに必要なだけのシャッタースピードは稼ぐことができず、他の設定で無理をしないといけません。
都市夜景やライトアップ夜景でも良質な品質を確保するにはシャッタースピードが5~30秒も必要になります。
手持ちと三脚使用の違いを比べたいと思います。
撮影地は名古屋市の東山動植物園なのですが、ここは混雑時は三脚が使用不可なのです。
手持ちはボヤっとしていてザラザラ(ノイズが多い)な状態なのに比べて、圧倒的に三脚で撮影している方がディテールがしっかりしてシャープな写真になっています。
三脚があるとシャッタースピードの自由度が上がり、他の設定をしっかりと品質を確保して設定が出来やすくなります
拡大写真のようなマクロ撮影できる
マクロレンズという虫眼鏡の様な撮影倍率の高いレンズを使用するときにも三脚は役に立ちます。
拡大写真でピントも薄い(被写界深度が浅い)状態になりやすく、手持ちで撮影をすると手ブレしやすいのです。
しかも外で花などを撮影するとき少しでも風が吹くと花が揺れて構図が変わったり、被写体ブレしてしまいます。
ベストな構図にして風が止んだら撮影をしたり、被写体ブレしないシャッタースピードで連写して後で選定できるようにして失敗を防ぎます。
構図を追い込むのに細かく微調整しながら、ブレやピントミスを防ぐのに三脚が一役買ってくれます。
撮影者がカメラから離れて撮影できる【頭の片隅に置いておくと便利】
自撮りや風景に人を置きたいけど周囲に誰もいないときに自らを被写体にして撮影するときにも三脚は役に立ってくれます。
別途でワイヤレスレリーズ(手持ちのシャッターボタン)だったり、タイマーをセットすることで撮影をすることが出来ます。
風景撮影のスパイスとして使えます。覚えておいて損はない使い方です。
三脚はブレを生かした写真も撮れる
カメラを固定してブレ防止をするだけが三脚ではありません。
ブレにはおおまかに被写体ブレと手ブレの2種類あるのですが、手ブレを三脚で防ぐことで被写体ブレのみを生かした写真も撮ることが出来ます。
被写体ブレを生かすことが頭の引き出しにあれば、風が強いときにピンチをチャンスに変えれるのです。
余談ですが、逆に手ブレを生かす撮影方法もあり、一番有名なのが「流し撮り」だと思います。
躍動感のある写真を撮ることが出来る
三脚で長時間露光をすると構図内にゆっくりと動くものがあると、残像を撮影することが出来ます。
上の写真は藤棚の下を疎水が流れているのですが、疎水の形状で水が渦を巻いて流れています。
長時間露光してあげることで散った花びらが水の流れに沿って渦巻いている写真を撮ることが出来るのです。
そして被写体がブレていることで風が強い状態や素早い動作など、停まった風景と動いている被写体の静と動を表現することが出来ます。
風景写真では雲の動きを長時間シャッターを開けダイナミックに撮影して、視線を奥へ誘導して吸い込まれるような写真を撮ったり惹きこまれる要素として表現することができます。
風が強すぎて、長時間露光が全然出来ない状態でも、あえてブラすことで面白い写真も撮ることが出来ます。
撮影するときに止まっているものと動いているものを観察すると、面白い写真が撮りやすいです。
車のヘッドライトや花火・星空の光の動き(軌跡)を表現できる【風景撮影で重要】
車や電車のライトなどの人口的な光源はとっても明るくて車体自体は暗いので写りませんが、ライトの残像がはっきりと軌跡として残すことが出来ます。
三脚で定点固定して適切な長時間露光をすれば撮影できるのでテクニックとしては難しくありません。
また花火も光の軌跡で撮影をすることができます。
花火は目で見ている場合、残像が網膜に残るので花が開いているように見えるのですが、一瞬だけだと点になってしまいます。
カメラだとシャッターが開いている間は明かりを取り込んでくれるので、花火を写すことができます。
花火を一瞬だけ撮影すると点になってしまうのですが、ピントをずらしてボカすと幻想的な写真も撮ることができます。
露出時間次第で滝や波などの表現を変えることができる【風景撮影で重要】
三脚があると静と動を表現できるのですが、水の動きも表現できるようになります。
明るい撮影環境でシャッタースピードを短くすれば、水しぶきなども止めた写真を撮ることが出来ます。
上の様な写真は、三脚は不要なのですが水の流れを表現したいのならば三脚は必須にになります。
少し水しぶきを残したり、シルクのようにサラサラな写真を撮るなど、三脚で固定してシャッタースピードを調整することで撮影が出来ます。
三脚があると同じ構図の写真を複数撮影できる・合成素材に出来る
三脚があると同じ構図の写真を何枚でも撮影することが出来ます。
三脚があれば定点固定のままで、いいシチュエーションを待ったりすることもできます。
さらに現場で撮影してきただけでは、撮影環境や機材などの制限などで表現したい写真を作れない場合もあります。
その場合は三脚で同じ構図の写真を複数撮り素材として使用して、よい所取りの一枚を作ることが出来ます。
ちなみに合成や編集(現像)にはサブスクリプションで有料ですが、adobe(アドビー)のフォトショップ・ライトルームがおススメです。
いい構図で待ち伏せの撮影が出来る
野鳥などの自然動物や新幹線や飛行機の撮影・夕日や天の川など、風景撮影は時間やタイミングに影響されることが多いです。
構図を事前に作り、ベストショットのためにシャッターチャンスを待つことも多いです。
また人が多いところでは、人がいない状態まで待ってからシャッターを切ったりすることもできます。
HDR(ハイダイナミックレンジ)合成用の素材のブラケット撮影ができる【脱初心者~】
スマホなどのCMでもHDR(ハイダイナミックレンジ)と言う言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
朝や夕方、ライトアップなどが強い環境などの明暗差が激しい場所での撮影に役に立つ手法になります。
上の夕方に撮ったひまわりの写真だと、同じ構図の3枚の明るさの異なる写真を合成しています。
→ひまわりは綺麗だけど、空が真っ白(白とび)で、陰の場所が真っ暗(黒つぶれ)している。
②空が白とびしない明るさの暗い写真
→空以外が全体的に暗い、または黒つぶれする。
③神社やひまわりの下の茎が周辺がのディテールの出る明るい写真
→太陽の光が眩しすぎて空が白とびする。
大体のカメラには明るさをずらして撮影できる「ブラケット撮影」の機能があるので、そちらで撮影をしてあとで、編集ソフトで画像作成(現像)しています。
手持ちでもブラケット撮影はできるのですが、三脚があれば高品質なHDR用の素材を撮影することが出来ます。
比較明合成用の素材を作成できる【脱初心者~】
比較明合成という言葉は写真を撮影していても、勉強していないと聞かない言葉だと思います。
意外とやっていることは簡単だったりします。
比較明合成とは複数の写真を比較して、明るい部分のみを合成する方法です。
ホタルなどは写真でみると光の絨毯みたいになっていますが、合計で数分~数十分ほど連続で撮影した写真を合成しています。
長時間露光で一発撮りも出来るのですが、背景が白とびしてしまったり、撮影中にハプニングがあると時間がパーになってしまいます。
なので三脚で同じ構図で固定して撮った素材を選定して、現像ソフトで比較明合成するだけです。
覚えていれば他にも用途もたくさんあって、車や花火の軌跡、雲なども輝度差がある写真ならなんでも比較明合成することができます。
さらにライトペイントのアートなども一人で作るときにも役に立ったりします。
風景写真を撮り始めたら、一度は憧れる星空の撮影、、
夜空に光る星も長時間露光してあげると日周運動を撮ることが出来ます。
ただホタル同様に何分も露光していると風景が白とびしていまうので、複数の写真に別けて撮影をして比較明合成をしてあげると軌跡を描くことが出来ます。
三脚は星景写真(せいけいしゃしん:星空と地上の風景を絡めた写真)には必須アイテムになります。
星を止めて撮影をする場合は日周運動のためシャッタースピードに制限があり、とても暗いため設定や機材選定がシビアで慣れた人向けの被写体になります。
ですが!軌跡の写真はシャッタースピードの設定に余裕があるので、少し勉強するだけで十分初心者でも撮影できる被写体になります。
星は一度撮ると病みつきになる、美しさと達成感があります。
個人的な感想ですが、ぜひ三脚を手に入れたら一度は星が綺麗な場所で撮影してみることをおススメします。
余談ですが、入門機のカメラとキットレンズでも頑張れば星を止めた星景写真も撮影できるようになります!
パノラマ撮影用の素材を撮ることが出来る【脱初心者~】
今までは三脚で定点固定していましたが、少しだけ趣旨がことなります。
パノラマには左右、上下、多重方向(マルチロウ)など種類があり、特定の方向へ正確に動かすことができる三脚が必要になります。
三脚で固定しているからこそ綺麗なパノラマ素材を撮ることが出来ます。
本格的なパノラマは視差(ノーパララックスポイント:覚えなくていい)を気にしたりする必要があり、上級者向けの撮影方法になります。
初心者が使いやすい三脚をピックアップ
三脚は固定をすることを目的としているので、かなり厳選しました。
・耐荷重に余裕があるつくりのあるもの(おおよそ「耐荷重/2」が実際に乗せれる基準)
・安くても最低限余裕を持って使え、ランクアップしたとしてもサブや予備三脚として使える1万円未満の三脚
・大きな機材を乗せても安心で、長く使える1万円以上の三脚
とりあえず安い三脚が欲しい人向け【1万円未満】
Manfrotto MKELES5BK-BH
イタリアのマンフロット(Manfrotto)製の三脚です。
歴史も長く、プロアマ問わず人気のブランドになります。
アルミの素材ながら1.15kgと軽く、最大長が少し低いですが初めてなら問題ないと思います。
Manfrotto | MKELES5BK-BH |
---|---|
素材 | アルミ |
重量 | 1.15kg |
耐荷重 | 4kg |
最大長 | 143cm |
最低長 | 36cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 5段 |
Velbon シェルパ 435Ⅲ
ベルボンは日本の三脚メーカーで安心感があります。
最大長が高く、フェンス越しの撮影などでも使いやすいサイズだと思います。
耐荷重が低いのが気になりますが、スペックを見る限りあまり問題はないとは思います。
※耐荷重は基準がメーカによるので、ベルボンの耐荷重の基準も厳しい可能性があります。
Velbon | シェルパ 435Ⅲ |
---|---|
素材 | アルミ |
重量 | 1.62kg |
耐荷重 | 2kg |
最大長 | 165cm |
最低長 | 24.2cm |
収納高 | 58.5cm |
雲台 | 3WAY雲台 |
脚段数 | 3段 |
K&F Concept KF-TM2324
中国のK&F Conceptはカメラアクセサリーメーカーで、ある程度の品質は保ちつつもお手ごろな価格なメーカーです。
軽量にかかわらず、耐荷重も高くこのスペックで1万円を切るのならお得な商品です。
K&F Concept | KF-TM2324 |
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素材 | アルミ |
重量 | 1.358kg |
耐荷重 | 10kg |
最大長 | 156cm |
最低長 | 41cm |
収納高 | 46cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
Neewer 66インチ カーボンファイバー
Neewerは低価格帯のカメラアクセサリーを販売している中国のメーカーです。
まさかのカーボン三脚が1万円以下で買えてしまうのはビックリです。
背も高く、耐荷重もあるので低価格でカーボン三脚が欲しい人にはおススメです。
また3本ある足のうち一本は取りはずことが出来て、一脚としても使用が可能です。
Neewer | 66インチ カーボンファイバー |
---|---|
素材 | カーボン |
重量 | 1.52kg |
耐荷重 | 8kg |
最大長 | 168cm |
最低長 | 61cm |
収納高 | 45cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
長い間仕える三脚が欲しい人向け【1万円以上】
VANGUARD VEO2 264CB
台湾の三脚メーカーになります。
しっかりした作りをしており、カーボン三脚としてはかなりコスパに優れた製品になります。
僕も現在使用しており、頑丈でかつ非常に取り回しがいいので重宝しています。
後々、ハイブランドの三脚のサブ三脚としても十分使えると思い購入もしています。
現在、後継機種も発売されていますが、正直機能が使いされただけなのでコスパの良いVEO2 264CBをおススメします。
VANGUARD | VEO2 264CB |
---|---|
素材 | カーボン |
重量 | 1.3kg |
耐荷重 | 8kg |
最大長 | 155cm |
最低長 | 19.3cm |
収納高 | 44.5cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
Manfrotto MKBFRTC4-BH
マンフロットのトラベル三脚で人気のあるbefreeシリーズの三脚です。
ヴァンガードとの競合になる2~3万円台のモデルになります。
同様に重たい機材にも対応できる、本格的なカーボン三脚の入門に向いているモデルです。
Manfrotto | MKBFRTC4-BH |
---|---|
素材 | カーボン |
重量 | 1.25kg |
耐荷重 | 8kg |
最大長 | 150cm |
最低長 | 41cm |
収納高 | 41cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
Leofoto LN-254CT + 雲台NB-34
Leofotoは中国の三脚ブランドになります。
中国の会社なのですが品質が非常に高く、三脚界の2大巨頭(ジッツオ・リアリー ライト スタッフ)に追いつく品質で今話題のメーカーです。
カーボンは東レ製の物を使用しており、製作でコストダウンしているのかジッツオ等と同等のスペックの三脚が半額ほどで購入することが出来ます。
Leofoto | LN-254CT + 雲台NB-34 |
---|---|
素材 | カーボン |
重量 | 1.88kg |
耐荷重 | 10kg |
最大長 | 164.5cm |
最低長 | 21cm |
収納高 | 50cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
Gitzo GK1545T-82TQD
フランスの最高峰三脚ブランド、ジッツオの1型トラベル三脚モデルです。
車でいうならベンツとかです。
高価ですが質実剛健、高品質で触り心地もよく、所持欲を書きたててくれる一本です。
さすがに高価すぎて、超金持ち以外の初心者にはおススメできないのですが、最高峰ブランドのモデルとして紹介しました。
大きな家電量販店とかでも取扱いがある場合ので一度触ってみることをおススメします。
Gitzo | GK1545T-82TQD |
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素材 | カーボン |
重量 | 1.45kg |
耐荷重 | 10kg |
最大長 | 163.5cm |
最低長 | 32.4cm |
収納高 | 42.5cm |
雲台 | 自由雲台 |
脚段数 | 4段 |
こぎーのまとめ
三脚の一番の目的は「カメラをしっかり固定すること」でした。
そして固定できることで、ブレを排除できます。
さらにいうと被写体ブレや露光の時間を調整できるようになり、表現の幅が圧倒的に広がります。
・被写体ブレを生かした写真
・光の軌跡を生かした写真
・構図を煮つめたチャンスを生かす写真が撮れる
・様々な写真の合成の素材を作れる
持ち運びををするには少し不便ですが、それ以上に妥協しない品質が高い写真を撮ることに必須になってきます。
三脚を購入したら、読んでおきたい正しい使い方についてもまとめています。
せっかく写真を始めたのならば、三脚を使った写真を楽しんでみましょう。
今まで撮れなかった写真が撮れるとすごい楽しいです!